金融~平成29年度~

 「つみたてNISA」について                                       平成29年10月23日号         

平成30年(2018年)1月より新たな制度「つみたてNISA」が始まります。

従来の「NISA」と比べて、より少額、より長期の運用に適した少額投資非課税制度です。(両制度とも日本に住む20歳以上の成人が対象です。)

○まずは従来の「NISA」(以下「NISA」と表記)についてのおさらい。

・NISA(NIPPON Individual Savings Accountの略)少額投資非課税制度の愛称

・平成26年(2014年)に開始された個人投資家のための税制優遇制度。

・NISA口座で購入した上場株式、株式投資信託等の配当金及び売却益が非課税

・NISA口座では、年間120万円(買付代金)まで非課税で投資可能

・非課税の取扱期間は、年間120万円(買付代金)を上限に投資をした年から最大5年間

新制度「つみたてNISA」(以下「つみたてNISA」と表記)のポイント

・つみたてNISA口座で購入した株式投資信託やETFの運用利益は非課税

・投資方法は「積立形式」 (積立形式:定期的に一定金額を購入)

・非課税の取扱期間は、年間40万円(買付代金)を上限に投資をした年から最大20年間

・対象商品は長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託に限定

 (例:販売手数料がゼロ、信託報酬は一定水準以下、毎月分配ではない等)

・投資資金が少額から可能(月々では最大で約3.3万円)

「つみたてNISA」の注意点

・「NISA」と「つみたてNISA」は選択制で同一年中に両方の口座をもてません。

・「NISA」同様に特定口座や一般口座との損益通算はできません。


上記2制度を上手く利用して、資産形成を図る一助にして頂ければと思います。

参考:政府広報オンラインhttp://www.gov-online.go.jp/useful/article/201708/2.html

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 『投資信託の手数料(コスト)』について             平成29年5月8日号

 早いもので個人の確定申告が終わってから1か月以上が経過しました。今年もまたここ数年と同じように多くの
関与先の方が投資信託の取引をされていました。確定申告作業中、関与させて頂いている皆様から投資信託で「儲
かった」、「儲からなかった」という話はよくお聞きました。しかし、投資信託に係る手数料(コスト)については
話題にでることはありませんでした。
そこで、今回は投資信託に係る手数料(コスト)についてご説明をしたいと思います。

 コストの説明の前にまずは「投資信託」について簡単に説明をします。
 「投資信託」とは金融商品のひとつで、その仕組み以下の通りです。
 ・投資家から集めたお金をひとつの大きな資金とする
 ・その資金を運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する
 ・その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される

 また「投資信託」は、以下の会社によって成り立っています。
 Ⅰ.販売会社:
   投資家の口座管理、投資信託の販売・換金など投資家と投資信託をつなぐ窓口
 Ⅱ.投資信託運用会社:
   投資信託を設定、投資家から集めた資金(信託財産)を運用
 Ⅲ.信託銀行:
   投資信託から集めた資産を保管・管理

 ここからが本題です!
投資信託の取引には、上記ⅠからⅢまでの会社が関係するため、投資家が投資信託の取引を行う際にいくつかの
手数料(コスト)が発生します。それらの中で主なものを以下に列挙します。
 ① 購入時手数料:
   購入時に販売会社に支払う費用。ただ発生しない場合もあり(ノーロード)。
 ② 信託報酬:
     投資信託を保有している間に投資信託の保有額に応じて支払う費用。
   ③ 監査報酬
     投資信託が決算ごとに監査法人等から監査を受けるための費用。
   ④
売買委託手数料
     投資信託が投資する株式などを売買する際に発生する費用。
   ⑤ 信託財産留保額
     投資信託を購入又は解約する際、信託財産に留保される費用。発生しない場合もあり。

       参考:②から④は信託財産から間接的に支払われます。⑤は換金時に直接、支払います。

関与先の多くの皆様から聞いた「儲かった」「儲からなかった」という話は未来のことであるため、予想をたてる
のがかなり難しいです。
しかし、投資信託に係る手数料(コスト)に関しては、取引を行う前に分かるものがほとんどです。
投資家がどのような費用をどれだけ負担をするかは、目論見書等で確認することができます。
投資信託の取引をする際、手数料(コスト)がどれだけ発生するかを確認することはとても大切なことです。
実は、儲け以上に手数料(コスト)が発生したりする場合もあるかもしれません。

 結論!
投資信託にはあらゆる手数料(コスト)が発生します。この投資信託は儲かる?儲からない?と考えることも
大事ですが、手数料(コスト)について購入時に目論見書等でしっかり確認をし、防げる費用を防ぐようにしましょう。

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 『改正資金決済法』について                                   平成29年4月21日号

平成29年4月1日、改正資金決済法(いわゆる仮想通貨法)が施行され、ビットコイン
での決済が可能となったことを受けて、同年4月5日ビックカメラが仮想通貨であるビット
コインで買い物ができる商売を始めました。

今回はこのビットコインについてご紹介します。

そもそもビットコインとは、ネット上に存在する仮想通貨であって、円・ドル・ユーロ等の通貨で購入するものです。
仮想通貨は世界に約600種類存在し「ビットコイン」はその内の約7割を占めています。
為替リスクが無いために今後急速に広がりを見せる可能性がありますが、現在は外貨購入規制の厳しい中国で盛んに
取引され、全体の取引の8割が中国人で占めているという情報もあります。
仮想通貨ということは、端的に言えば
ネット上のデータでしかない為、画像のようなコインは存在しないし、紙幣も当然発券されません。
では、どうやってそのネット上のデータを信用するのか?
ここで注目されるのが、ブロックチェーンテクノロジーと呼ばれるIT技術です。
仮想通貨の取引がネット上で行われると、取引記録はすべて公開取引記録に記録され、そのデータは世界中に散在する
コンピュータに同時に保存されることになり、このコンピュータのブロックデータを通して利用者同士で監視する体制が
構築されます。
特定の管理会社が存在しなくても一部分の取引データの改ざんや不正を防ぐことができるという仕組みとなっている
ようです。
 また、ビットコイン他仮想通貨にはそれ自体に相場があり、毎日・24時間いつでも売買取引ができる市場が
整備されていて、支払手段として購入するばかりではなくむしろ投資・投機の材料としても頻繁に利用されています。
この為ストップ高・安の制限はないし、取引量の規制もないために時に乱高下も珍しくありません。
今年の正月5日、ビットコインの高騰が日本でニュースになったその日の午後、習近平総書記がビットコインに
コメントした途端に大暴落となり数日で40%以上の値下げに見舞われたこともありました。
 ところで、このような仮想通貨の売買に対して国税当局は、これまで通貨として認めておらず物品であるという
認識のもと、売買には消費税が課される課税取引であるという見解でしたが、平成29年度の税制改正では、資金
決済に関する法律に規定する仮想通貨の譲渡については消費税が非課税であると明確化されました。
この改正は平成29年7月1日以降に国内において事業者が行う資産の譲渡等及び課税仕入について適用されます。
ちなみに、個人の売買で得た所得はこれまで通り総合譲渡に分類されるので、所得に応じて確定申告する必要が出
てきます。

ご注意ください。

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経営アドバイスコーナー
名古屋税理士会所属